意味と搾取(改訂版)第四章 使用価値の再定義―意味使用価値とパラマーケット
序章 第一章 第二章 第三章 Table of Contents 1. 資本主義批判の枠組組み換え 本連載の冒頭(序章)で、マルクスの資本主義認識に立ち返りながら、現代資本主義の基本構造を、土台―上部構造の定式に対する資本主義的な応答としての、上部構造の土台化、土台の上部構造化について述べた。つまり政治権力と資本の意思決定構造が相似形をとるようになる、ということだ。マルクスの資本循環図式を形式的に当て嵌めて表現すると、以下のようにも言うことができる。権力の生産過程は、統治機構の物質的条件(権力の生産手段)と官僚、議員、裁判官などの人的な資源の投入によって、構造への「従属」という政治的生産物が生産される。これを人為的な構築物である「国民」やこのカテゴリーから排除された人々が「消費」することを通じて、「従属」が再生産される。 資本が介入する伝統的な回路は、ケインズ主義の公共投資と土木建設資本の関係のような財政のインフラ投資の時代から新自由主義の公共サービスの民営化の時代へと展開してきた。この前提には、公共サービスを生存権の保障のための国家の義務とする共通の合意に基づく財政負担という了解が崩 […]