世界規模で展開されている暗号使用をめぐる攻防―政府のスパイ活動への対抗手段としての暗号ツール
世界規模で展開されている暗号使用をめぐる攻防―政府のスパイ活動への対抗手段としての暗号ツール 1. はじめに 政府による通信事業者を巻き込んでの通信情報収集は世界的な趨勢にもなっている。こうした傾向に危惧を抱くネットのユーザーたちが、通信の秘密の確保の手段として強固な暗号を用いたサービスの利用を選択しはじめている。政府やメディアが「秘匿性の高いアプリ」などと称して暗に悪者扱いしているサービスでもある。本稿では、政府によるスパイ活動が合法化された現在、私たちが通信の秘密を防御するには「秘匿性の高い」アプリを活用することが必須となっていることを述べたい。 2. 政府による事前の情報収集活動が必須 今国会で成立した国家情報会議法の詳細はここでは省くが、この法律によって、政府は、組織的に国家予算と人員を投入して民間事業者に協力させて、網羅的に通信の監視が可能な体制を構築することは間違いない。いったん収集されたデータを政府が消去することもありえない、とみる必要がある。不起訴になっても指紋データを消去しない警察庁、これを支持する裁判所の現在の態度1が政府のデータをどう扱いたいと考えているのかを端的 […]